種子を自家採取し始めてから3年経ちますが記録もマチマチな状況だったのでここら辺でしっかりと情報まとめようと奮起してグラキリス専用の実生記録のページを作ることにしました。気になるタイトルは入れて後は順不同でアップしていきますので気長に参照してください。なお、間違っていたーと思ったら朝令暮改で更新しちゃいますのでお許し下さい。準備できたら画像もアップしたいと思っています。あくまでも試行錯誤しながらの経験則から学んだ方法です。勝利の方程式ができるといいのですがわかりません。
どうやって播種(種まき)するの?
まずは播種に必要なものを揃えましょう。
最低限必要なものは
・培養土
ピックアップして後述します
・ポッド
今も試行錯誤しておりますが、2.5 号のプラポッドを使う方法と1号サイズの連結苗床トレイを使う方法の2通りを試しております。
使うポッドによって次にいつ植え替えするかが変わってきます。
・腰水用の受け皿ケース
100円均一で高さが使用するポッドの高さと同じかそれより低いトレイを使用しています。播種当初は加湿のために表土に透明のカバーをしますが、ポッドより高いと風通しが悪く細菌が繁殖しやすくなるためです。
・霧吹き器
100円均一のもので十分です
・植物活性剤
メネデール
・殺菌剤
ベンレート
・植物育成用LEDライト
13〜15h/日は安定した光量を必要とするためLEDライトは必須です
・発酵アルコール
あったら良いレベル
LEDライトを除けば、4,000〜5,000円で揃えられると思います。
LEDライトはピンキリですが実生の場合はパネル系のLEDライトで出力調整できるものが良いと思うので6,000円〜10,000円くらいの出費が必要です。
用具が準備できたらいよいよ播種(種まき)です。
グラキリスの発芽は、好光性であることと温度、湿度が整えば発芽します。
なのでポッドに培養土を入れて腰水用ケースにポッドを浸して種子を表土に置いて透明の蓋をして LED照射となります。
手順1:種子を植物活性剤(メネデール)と水和性殺菌剤(ベンレート)の液に32h浸漬(種子の発芽スイッチを入れるため)
手順2:ポッドに培養土を入れる
手順3:表土に発酵アルコールを噴霧してしっかり揮発するまで待つ(アルコールはドーバーパストリーゼ77を使用しています)
手順4:用土を灌水する
手順5:腰水用ケースにセットしてポッドが5mm程浸るようにする
手順6:種子を1ポッドに1粒播種(覆土はしません)
手順7:霧吹きで水を噴霧
手順8:透明の蓋をする
手順9:LED照射
培養土は何を使う
ネット上では赤玉とバーミュキラの配合をされている記事が多いと思いますが当店では通常の配合培養土をそのまま使っています。赤玉、鹿沼、軽石、くん炭、有機肥料を配合しています。
まず、底石は赤玉小粒の大きめ(5mm)を薄くひいてそこに前述の配合培養土を入れます最後に表土は赤玉の小粒の小さめ(2-3mm)となります。表土を培養土で剥き出しにしておくと細菌の繁殖が早いので表土は赤玉です。この赤玉を細粒にしたり鹿沼土にすると苔が生えやすくなるので色々試した結果小粒の小さめになりました。あとサボテン播種時の表土は細粒を使っていますがグラキリスの発芽時の根が細粒だと用土の隙間に潜りにくいのも理由です。
播種するポッドは何はいいか?
現在は2.5号ポッドと1号サイズ連結苗トレイの2種類を使用しています。連結苗トレイは2025年の播種から使用し始めましたので最低でも1年経過観察しないと評価は難しいと思っていますが2〜3ヶ月経過時点は良好です。また、2024年までは2.5号の1ポッドに4粒播種していましたが2025年からは1ポッドに一粒にして2年は植え替えしないで3年目に成長度合いで判断しようと思っています。
播種に使う用土は消毒するか?
答えはアルコール消毒をしています。ネット上でもアルコール消毒をしていると投稿されている記事は私は見たことがないので完全アウェイですが失敗はしていませんし糸状菌などの細菌の発生も無いです。キッチンやテーブルなどに使用しているアルコール度数70%以上の物を表土に噴霧して良くよく揮発させた後に播種しています。コロナ禍で自宅に余っているものでアルコール度数が高いものを流用しても良いと思います。
でもたまに噴霧を忘れることもあるのですが発芽が遅れなければ菌も増えないので絶対必要ではないと思います。
最初の頃は煮沸消毒をしていたころもありましたが多分これはおまじない程度と今では思っています。なので今はしていません。綺麗な新品の培養土を使ってポッドなどの容器は洗って使い回ししてます。
種子は洗うの?
自家採取した種子は洗っていません(サボテンの種子は洗います)。多分グラキリスの種子に発芽抑制物質は付いていないような気がしますが、これまでは洗わずとも事前の浸漬処理で十分発芽しておりますので。
種子の事前の浸漬時間はどのくらいが良いか?
私は31hから33hしています。昨年は18hしかしていませんでしたが多分長いとその分発芽開始が早まるので糸状菌の発生確率が抑えられるとの結論です。でもこれ以上長いと浸漬中に発芽して種子が柔らかくなるので播種するときに傷めてしまうと思っています。
いつ播種するのといいのか?
3年間の途中経過は今のところ6月推しです。昨年が良かったので。
私の分析では発芽スイッチの温度条件がポイントですね。今年は4月11日と5月10日と6月10日、6月25日の4回に分けて播種しました。
🟠結果
4月11日 12粒 発芽開始8日目 10/12粒(発芽率83%) 8月20日時点残存数 6粒(残存率50%)
5月10日 18粒 発芽開始9日目 15/18粒(発芽率83%) 8月20日時点残存数 12粒(残存率66%)
6月10日 30粒 発芽開始9日目 25/30粒(発芽率83%) 8月20日時点残存率 21粒(残存率70%)
6月25日 24粒 発芽開始5日目 21/24粒(発芽率88%) 8月20日時点残存率 21粒(残存率88%)
3回は発芽率だけ見ると計ったように同じ結果ですがその後の生育に違いがでてきています。
各月の1ヶ月間の平均室温は4月21℃、5月25℃、6月は一週間だけですが27℃です。多分このまま行くと今年は5月改め6月になりそうな予感。多分30℃近くの高温が続くと湿度が高すぎて腐りやすくなりそう。室温は25℃までが良いような気がしています。また、6月の経過見て状況アップしたいと思います。今のところ4月播種は脱落するものが増えてきました。
8月20日時点の状況では6月25日に播種したロットが良好です。6月25日から発芽までの1週間の平均室温が27.8℃その後の1ヶ月間の平均室温が
29.3℃ 2ヶ月目の平均が29.6℃でしたので30℃弱で安定している環境でした。
※ここで示す発芽とは根が出て二葉を展開したタイミングです。

2025/4/11播種
74日目
2.5号ポッド
発芽率83%
残存率50%(6/23時点)
早いもので四葉展開
腰水中

2025/4/11播種
74日目
最大幅茎約8mm
まだしぶとく種子カラ残っております

2025/5/10播種
45日目
2.5号ポッド
発芽率83%
残存率78%(6/23時点)
二葉展開
種子カラほぼ残って外れていません(しつこいです)
腰水中

2025/5/10播種
101日目
2.5号ポッド
胴茎は10mm超え(正確に測っていません)
まだ腰水はしていますが9月中頃にはハウスに移動して上からの灌水に移行しようと思います

2025/5/10播種
158日目
2.5号ポッド
上の写真と同じ苗です。この苗が一番成長著しいものとなります。結局まだハウスには移動せずに室内LEDで管理しています。また9/15からは腰水止めて上からの灌水に移行しています。なお受け皿はありです。

2025/6/10播種
14日目
1号苗床連結トレイ 30粒
発芽率63%(二葉展開済み)
残存率–%
もうフタはしていません

2025/6/10播種
72日目
1号苗床連結トレイ 30粒
発芽率83%(二葉展開済み)
残存率70%

2025/6/10播種
134日目
1号苗床連結トレイ 30粒
発芽率83%(二葉展開済み)
残存率70%
上2列目右端が一番大きく500円玉サイズとなります。
ハウス移動せずに室内LED管理です。9月末から上からの灌水にしていますが受け皿はあります。

2025/6/25播種
57日目
1号苗床連結トレイ 24粒
発芽率88%(二葉展開済み)
残存率88%
大きいもので胴茎10mm弱 結構個体差が出てきています
下から2列目は表土に赤玉細粒を使用→緑がかっているように苔生えやすいです

2025/6/25播種
120日目
1号苗床連結トレイ 24粒
発芽率88%(二葉展開済み)
残存率88%
6/10播種同様に脱落しているものはありませんが、いぜん個体差が大きいですね。
ハウス移動せずに室内LED管理です。9月末から上からの灌水にしていますが受け皿はあります。
腰水はいつ止めるの?
四葉以上が展開して根付きがしっかりしてきた頃に腰水を止めています。多分4ヶ月くらい経過した頃になるかと思います。これまでの経験では腰水を続けると根が細く長くなり、間延びした苗になりやすいと感じています。また、腰水を続けるとどうしても用土が崩れやすくなり、苔が生えやすくなります。その意味でも苗がしっかり根付けば、上から灌水できるので苔も流れます。ただ、実生幼苗は水を欲しがるため頻繁に水遣りが必要です。
毎日の霧吹きは必要か?
加湿と消毒を兼ねて殺菌剤を混ぜて霧吹きをする方が一般的のようですが私は水道水のみでやっています。心配であれば殺菌剤を混ぜても良いかと思いますが1週間から10日間で発芽するのでその間で収まれば糸状菌などは発生しておらず、以降は蓋を外して緩く風通しがあれば問題ないと思っています。この場合の条件としてポッドの用土のウオータースペースが余り深くならないようにして表土の風通しを遮らないことが大切と思っています。6月に入り温度湿度ともに上がってきたので、時折り殺菌剤を噴霧した方が安心な気がします。
そして毎日の霧吹きは必要です。その理由は種子カラを自然に落とすためには加湿と乾燥を繰り返すと良いからです。種子カラが上手く外れないと新葉の展開を妨げて折角発芽しても腐るリスクが高まるからです。
結局LED栽培がいいの?
はい、実生初期はLED栽培です。
当店は栽培用ハウスも持っておりますが、コーデックスの実生の管理は難しいです(私が下手なのかわかりません)。何が難しいかというと温度管理と頻繁な水遣りです。温度管理はどうしても高温にやられてしまいます。ハウスにもう少し投資すれば違うのかもしれませんがちょっと躊躇うので今の方程式は4月から6月に播種して室内で11月までLED栽培、12月からハウスに移動して冬期は10℃を下回らない環境で育てて、以降3月頃からはハウスの下段の温度低めのところで管理の流れです。今年は4ヶ月目の8月頃から野晒し管理もしてみるつもりです。また、ハウスの1年ものは梅雨明け以降野晒し管理に移行しています。ただ最近は天候不順が多く大量の長雨もあるので予報を見ながら雨の掛からないところに移動したりもしています。
使用している植物育成LEDライト
1.WAKYME 1200W LED 2021年から使用中
2.HaruDesign BOARD3400PRO 2025年から使用開始
野晒しの環境は直射日光も入るし木漏れ日にもなる風通しの良いところにしています。幼苗のガンガン直射は最近の高温と無風が重なると厳しいと思うのでそのような環境しかない場合は20%くらい遮光された方が良いような気がします。
LED照射時間はどれくらい?
今は13h照射しています。朝の6時から夜7時まです。成長した株のLED照射は11時間45分としているので、実生苗は約1時間強多めにしています。何故かって根拠はありません。
LEDの出力はWAKYMEはVEGライトで照射距離30cmでPPFD値は829μmol/m2s、HaruDesignは80Wを45%に設定して照射距離35cmでPPFD値は545〜750μmol/m2s(PPFD値は正確ではないです)。
通風はあると良い?
間違いなく無いよりある方が良いです。実生初期は倒れない程度に必要です。
植替えはいつするか?
2.5号ポッドに播種したものは2年は植え替えしないにするつもりです。一方1号サイズの連結苗床トレイは1年後に植え替えを見込んでおります。このトレイは柔らかいので用土を落とさずにそっくり移し替えて根に負担を掛けずに植え替えができると思っているからです。ストレス掛けるとホント拗れるんです。この苗床トレイは今年初めてトライしたので上手く行くと良いのですが。
拗れると死なないけど成長が止まる 多分あるあるです。

2024/6中播種
14ヶ月目
2025年7月の梅雨明けから野晒し管理中
大きいもので胴茎約2cm
去年は1ポッドに4粒植えたので植え替え悩ましいです
脇芽が出てきたらカットしています
採り撒きがいいの?
分からない。今年も何本か梢が上がったので種子は採取できるのですが如何せん撒く場所がないので調査は難しいかも?
何年前の種子まで発芽するか?
2025年に播種している種子は2024年6月に採取したものです。1年物でも8割を超える発芽率なので十分ではないでしょうか?
但し、採取した種子は冷蔵庫7〜9℃でパウチした袋に入れて保存しています。袋に入れるときはなるべく空気は抜いていますが、厳密な処理はしていないので大体です。
さて、では2年前のものはどのくらい発芽するのでしょうか?2023年産は全部撒いちゃったので調べられない。2024年産はまだ残っているので少し残して来年調べてみたいと思います。
花粉の冷凍保存
受粉の仕方
🟠 ナマクアランド